10.破竹戦隊 バッサイジャー(徳山工業高専)

「竹竹取る取る 首っタケ♥」

かつて竹は伝統工芸や建築資材、構造材料に用いられ、人々の生活を支えていた。ところが、竹林管理の人材・財源不足やプラスチック等の新素材の台頭が相まって、今や放置された竹林が鬱蒼と茂り、竹害という言葉が定着するほどの厄介者として全国に存在している。特に、我が国の竹の約70%が西日本に分布するとの調査報告もあり、2ヶ月で20mも成長し、コンクリートさえ平気で突き破る竹の強靭な繁殖力は、人々の日常生活や安心安全を脅かしている。
一方、インフラマネジメントに関わる工事では、その規模の大きさから竹を材料として大量消費しやすい場面が多くあるように思える。竹の猛威を学校のすぐ近くで目の当たりにした5人の有志たちは、気候変動やプラスチック汚染が叫ばれている今の時代だからこそ、竹をインフラとして有効利用できないのかと白熱した議論を交わしてきた。議論の末、5人が目指した境地(本提案内容)は、人々の生活に欠かせない貴重な水源の一種であり、憩いの場、多様な生物が生息する場、さらには防災性や景観性までも求められる「河川」を舞台とした、竹と人々が「共存・共栄」できる風景そのものである。
本提案では、「攻め」と「守り」の2つの要素アイデアを結集した。「攻め」とは、子どもたち遊び/学びと風情の『創造』であり、水辺空間における竹を使った遊具、水質改善にも期待した水車、竹ライトアップの提案である。また、「守り」とは、護岸や河床の『保全』を意味しており、河川における竹蛇篭の活用および中性固化剤を用いた竹筋水制ブロックの提案である。